週間でんがなまんがな第57号
(10月10日発行)


昨晩は「NPO・神戸での可能性」という座談会があり、「その筋」の有名人 ^^; の お話をいろいろと聞くことが出来ました。来週からは大阪大学で市民講座「NPO概論」が始まります。
「NON」から始まる否定語でもあるNPOには判りにくい面が多いと言えますが、それだけ 「なんでもあり」のオモロイ分野だとも言えそうです。   


[記事一覧]
1.火災共済金訴訟が和解 被災者に1800万円 10/08
2.<兵庫県知事選>舌戦始まる 最大の争点は阪神大震災からの復興 10/08
3.神戸空港住民投票条例の署名審査に知事選、市選管大忙し 10/08
4.<日本新聞協会>阪神大震災義援金問題の奈良新聞の再入会決定 10/07
5.モニュメントデザイン決定 神戸市 10/07
6.震災復興で7300万脱税 大阪国税局が告発 10/07
7.10月7日付・編集手帳 10/06
8.高知にも「元気村」 豪雨被災地にボランティア 10/03
9.地震でも倒れにくい墓石を開発 10/02
10.車イスの声楽家が被災地でコンサート 10/01
11.知事主人公の本を注文 兵庫県庁が2270冊 09/30
12.給与減額分を支払い命令 震災で降格、復帰させず 09/28
13.<語りたい>「居住福祉」の確立を−長崎総合科学大・早川和男教授 09/27


1.火災共済金訴訟が和解 被災者に1800万円 10/08

共同通信ニュース速報:  阪神大震災の六日後に起きた火災に地震免責条項を適用し、火災 共済金の支払いを拒否した神戸市民生活協同組合(理事長・笹山幸 俊神戸市長)に対し、同市長田区の住民四人が計三千万円の支払い を求めた訴訟は八日までに、生協側が四人に計約千八百万円を支払 うことで、大阪高裁(岨野悌介裁判長)で和解が成立した。
 地震免責を認めなかった一審の神戸地裁判決を生協が事実上認め た内容。原告代理人は「免責条項の適用範囲に一定の歯止めをかけ た判決を高裁が妥当とした結果だ」と評価している。
 訴状などによると、原告四人は長田区梅ケ香町の自宅や家財を対 象に火災共済の契約を結んでいたが、震災六日後の一九九五年一月 二十三日、近くで出火した火災の延焼で全半焼した。
 生協は出火や延焼は地震が原因としたが、神戸地裁は四月二十七 日、(1)出火原因は特定できない(2)地震で消火活動に支障が 出たことは認められるが、平常時に比べ特に消火が困難だったとは 言えない―として、地震による損傷分などを差し引き計約千七百万 円の支払いを命令、生協が控訴した。
 同生協は「一審判決を覆すのは困難と判断し、被災した加入者の 感情を考慮して和解した」としている。

                  
2.<兵庫県知事選>舌戦始まる 最大の争点は阪神大震災からの復興 10/08

毎日新聞ニュース速報:  阪神大震災からの復興を最大の争点に兵庫県知事選が8日、告示された。第一声で、 現職の貝原俊民候補(65)が「さらに被災者の復興を進めていきたい」と力を込め、 県原水協事務局長の梶本修史候補(50)は「大型公共工事より被災者を優先する県政 に」と呼び掛けた。震災から3年8カ月たったが、キズ跡を今なお引きずり、不況は長 引くばかり。有権者たちは、2候補の舌戦をどう受け止めるのか。
 神戸市兵庫区東山町の東山商店街は、台風7号の雨で9月22日に震災復旧工事中の 新湊川がはんらん、浸水被害も受けた。婦人雑貨店経営の上杉丁三さん(59)は「2 000万円以上の被害が出た。窮状を救ってほしい」と話した。
 震災で住んでいた分譲マンションは全壊、現在もアパート暮らしが続く。客は震災後 、郊外の仮設住宅へ移り住んだまま。売り上げは震災前より4割も減った。そこへ水害 。「役所は震災の時と同じく低利の融資をするらしいが、被害の補償が必要だ」と訴え た。
 神戸の地場産業、ケミカルシューズの裁断業を営む出口雄治さん(68)は、空き地 とプレハブの目立つ長田区松野通にある自宅兼工場で、「零細業者はほったらかしだ」 と嘆く。自宅兼工場は震災で全焼した。借りた工場で翌月、製造を再開したが、期待し た県の融資は「年齢制限や借入金を理由に断られた」という。
 震災時に中国などの製品が市場に流れ込み、神戸のケミカルシューズは今も震災前の 6割程度の売り上げにとどまる。「地場産業が活性化しないと街全体が落ち込む。候補 者の支援策を見極めたい」と話した。

3.神戸空港住民投票条例の署名審査に知事選、市選管大忙し 10/08

朝日新聞ニュース速報:  神戸空港の建設の是非を問う住民投票条例の制定をめざす「神戸 空港・住民投票の会」(代表世話人=須田勇・神戸大名誉教授ら八 人)が集めた直接請求の「三十五万人署名」の審査が、神戸市内九 区の各選管で急ピッチで進められている。八日には阪神大震災後初 の兵庫県知事選挙が告示され、不在者投票受け付けなどの業務が加 わり、市選管はかつてない忙しさとなっている。
 住民投票の会は九月二十五日、市の有権者の約三割に当たる約三 十五万人分の署名簿を市選管に提出した。各区の選管ごとに同二十 六日から今月十五日まで審査し、署名簿は十六日から一週間縦覧さ れる予定。
 市選管は九月上旬、署名の途中集計をもとに、「審査にはかなり の人手と時間が必要になる」と判断。市の当初予算案の予備費から 直接請求の事務費として、三千万円の経費を計上した。このうち約 七割は職員の超過勤務手当など人件費で占められている。  各区選管は知事選の告示を控え、通常なら告示二週間前に始める 選挙ポスター掲示場の設置を一週間早め、九月十七日から始めた。 さらに、他部の応援やアルバイトを募り、作業態勢を整えた。  北区では区役所内の大会議室に机を並べ、常時三十人ほどが休日 返上で署名審査の作業を続ける。最初の二日間で、同区の四万四千 九百六十五人分の署名をコピーし、選挙人名簿の町別に並び替えた 。その後、選挙人名簿との照合を進め、二重署名や代筆などをチェ ックしている。
 北区選管は、総務課調査係の四人。八日から知事選の不在者投票 の受け付けが始まったほか、十六日には県議補欠選挙の告示を控え る。投開票(二十五日)までに啓発活動も予定しており、帰宅は午 後十一時ごろという。総務課の職員は「直接請求の事務は初めてで 慣れないことばかり。選挙も重なり、経験したことのない忙しさだ が、ミスのないよう乗りきりたい」と話している。

4.<日本新聞協会>阪神大震災義援金問題の奈良新聞の再入会決定 10/07 

毎日新聞ニュース速報:  日本新聞協会(会長・小池唯夫毎日新聞社会長)は7日、理事会を開き、阪神大震災 の義援金をめぐる問題で今年2月に除名処分になっていた奈良新聞社の再入会を決めた。
 奈良新聞社は、同社の厚生文化事業団に寄せられた大震災の義援金で救援物資を購入 した際、同社元幹部の関係企業などが取引に絡んで多額の利益を得ていたため、「新聞 に対する信頼を傷つけた」として除名されていた。
 同社は第三者の弁護士らで構成される調査委員会を設け、事実関係を調査、その結果 を紙面で公表するなどしていた。協会はこれらの活動を評価し再入会を認めた。
小池・日本新聞協会会長の話 多様な言論の存在は民主主義社会の根幹である。再加 入を機に、同紙が社会的使命を自覚し、健全な県紙として発展していくことを期待する。

5.モニュメントデザイン決定 神戸市 10/07

共同通信ニュース速報: 神戸市が阪神大震災からの復興と犠牲者への慰霊を表現するため に計画しているモニュメントのデザインが七日、決まった。     四つのデザイン案の中から選ばれたのは、京都市の彫刻家楠田信 吾さん(62)の作品「COSMIC ELEMENTS」。    神戸市中央区の東遊園地の約二千三百平方メートルを利用。幅十 メートル、高さ一メートル、奥行き七メートルの御影石の板から水 を下に噴射させ、復興へのエネルギーを象徴する。その下に地下室 を造り、壁面に犠牲者の名を刻む。「未来」をイメージして巨大な 強化ガラスも付設する。
 建設費は約一億五千万円で、全額を寄付で賄い、震災から丸五年 の二○○○年一月十七日に除幕する予定。

                      
6.震災復興で7300万脱税 大阪国税局が告発 10/07

共同通信ニュース速報:  大阪国税局は七日までに、阪神大震災の復興事業などで得た多額 の利益を隠し、約七千三百万円を脱税していたとして、法人税法違 反の疑いで兵庫県尼崎市の電気工事業「高山建設」と同社の高山清 吉社長(76)=尼崎市道意町四ノ二七=を神戸地検に告発した。
 国税局はその他の所得隠しも合わせて、重加算税を含む計約一億 二千万円を追徴課税、同社は既に修正申告に応じたもようだ。
 関係者によると、同社は一九九五年度に約三億二千七百万円の法 人所得があったのに、従業員の賞与や取引のない建設業者への外注 費を架空計上するなどして約一億三千二百万円しか申告しなかった 疑い。
 隠した所得は会社の運転資金などに充てていた。高山社長は「建 設用重機を現金で安く購入したかった」と話しているという。

7.10月7日付・編集手帳 10/06 

読売新聞ニュース速報:  この夏、「神戸からの祈り」と銘打った野外コンサートが神戸市のメリケンパークで 催されている。一九九八年八月八日、めでたく「八」の数字が並んだ日だった◆阪神大 震災に襲われた神戸では、被災直後から大勢のボランティアが立ち上がり、助け合い、 支え合う心を通わせた。が、オウム事件に続いて、神戸の小学生連続殺傷事件…◆「人 と人との心のつながり、連帯を呼び戻そう」。沖縄のミュージシャン喜納(きな)昌吉 (しょうきち)、宗教哲学者鎌田東二さんら各界の人々の呼びかけによるコンサートに は、アジア各地の音楽家も参加、約五千人が歌い、踊り、祈った◆確かに今、閉塞(へ いそく)感が社会を覆っている。長引く不況や金融不安もある。和歌山の毒入りカレー 事件は未解決のままで、各地の「毒物連鎖」の数々が不安の影を落とす◆「神戸からの 祈り」を広げよう。心をひらき、人のきずなを取り戻そう。平成十年十月十日、今度は 「十」の字が並ぶその日、鎌倉・高徳院の大仏さまの境内で、「東京おひらき祭」が催 される◆鎌田さんら実行委員会(事務局03・3648・0374)の企画で、特定の 宗教、宗派を超えた祈りと祭りの催しだ。鎌倉時代、戦乱の死者の供養と世の平安を願 って建立された大仏さまがそれを見守る。

8.高知にも「元気村」 豪雨被災地にボランティア 10/03

共同通信ニュース速報:  年間降水量の三分の一を二日間で記録、六人が死亡し二万四千棟 以上が浸水した高知県中部の豪雨被害から一週間が過ぎた。三日現 在、高知市でピーク時に約五百人いた避難者は約三十人になり、県 外のボランティアも加わって復旧作業を進めている。  高知市大津地区は九月二十四、二十五日の豪雨で国分川がはんら んし、最大で二メートルの濁った川水に没した。
 阪神大震災被災地でボランティア活動を続ける「神戸元気村」の 杉森昌司さん(30)らは同二十八日から、地元青年会議所と協力 し同地区に「高知元気村」を開設。連日、約六十人でぬれた家財道 具の運び出しなどに追われている。
 最終的に約三万トンとみられる災害ごみの収集にも神戸市などが 協力。千百人態勢で週末にもほぼ回収の見込みだ。
 浸水した市中心部の商店街も営業を再開。市内の小中学校も二日 までに全校が授業を始めて市民生活は徐々に元に戻りつつあるが、 被災者の受けたショックは大きい。
 高知県や高知市は被災者の健康、精神面のケアを重視し、医師、 保健婦らを避難所に派遣して自宅を失った被災者らの相談に応じて いる。
 杉森さんは「災害には個人差があるので、これからはボランティ アが細かな相談に応じていくのが必要」と、震災の経験から話している。

#さすが元気村! フットワークが軽いですね。

9.地震でも倒れにくい墓石を開発 10/02

朝日新聞ニュース速報:  大地震があれば、墓石は倒れるのが当たり前。こんな「常識」に 挑戦しようと、大手建設会社が、墓石を倒れにくくするために免震 技術を利用した「免震立体墓地」を開発し、都市部の寺院に売り込 みを始めた。墓石倒壊は震度調査の目安になっており、一九九五年 の阪神大震災でも、墓石のずれや倒れ具合が揺れの方向調査に利用 されたほど、被害がひどかった。こんな墓地が普及すれば「ご先祖 様も安心」というのが、うたい文句だ。
 開発したのは大成建設(本社・東京)。阪神大震災の際、神戸市 周辺の墓地で多くの墓石が倒れ、ふちが欠けたりして修復費用が一 基当たり数十万円もかかった経験が開発のきっかけとなった。  工法は、墓地全体をコンクリートの人工地盤に取り換えて、その 下に免震装置を取り付ける。利用する技術はビルの免震化に使うの と同じで、積層ゴムやすべり板を人工地盤の下にかませる。揺れを 三分の一から五分の一に減らすことができるという。
 しかも、立体駐車場のように何層も重ねることで、一基当たりの 費用を抑えられる。三層構造にした場合の建設費用は、墓石代など を除いて一坪(約三・三平方メートル)四十万円程度。共用部分の 費用を含めても一基当たり百万円前後で済みそうだ。同社は、地価 の高い都市部なら、建て方によっては、普通に墓地を区割りして墓 を作る場合よりも檀家(だんか)の負担を抑えることができるとし ている。
 寺院の側にとっても、墓地の面積が足りないために、墓が欲しい という檀家の要望にこたえられない問題を解決できる。同社は、古 くなった寺院の建物の耐震補強や建て直しによる免震化も手がけて おり、墓地の免震化とセットで売り込みたいという。

10.車イスの声楽家が被災地でコンサート 10/01

朝日新聞ニュース速報:  阪神大震災でがれきの下敷きになりながら、童謡「赤とんぼ」を 歌って夫を励ました妻の物語に感動した長野県松本市に住む車いす の声楽家、狭間壮(たけし)さん(55)が1日、神戸市長田区の 市立真陽小学校でコンサートを開いた。歌うことで生きる勇気を与 えられ、障害を乗り越えてきた狭間さんが、今度は歌で被災地の人 を励ました。
 狭間さんは大学を卒業後、予備校の講師などをしながら声楽のプ ロを目指していた。33歳の時、交通事故の後遺症でわきから下の 体がまひした。絶望のふちにあったリハビリ先の長野県の病院で、 3カ月ぶりに外出した時、木になる真っ赤なリンゴに気づいた。そ の実に、輝く生命力を見たという。
 「ハンディを持ちながら歌って人を勇気づけることは僕にもでき る」と全国を巡り、コンサートや講演を続ける。1991年には、 忘れがたい曲とその思い出を約200人から募り、「赤とんぼ わ たしの心の1曲」を刊行した。
 阪神大震災が起きた95年1月、新聞の連載記事でがれきの中か ら27時間ぶりに救出された夫婦を知った。妻が夫に「赤とんぼ」 を歌って励まし続けたという内容で、この夫婦や学校で避難生活を 続ける被災者を勇気づけようと本を送った。これが縁で95年10 月、初めて真陽小学校を訪れた。
 この日、会場となった体育館には約200人の児童に交じって、 「赤とんぼ」を夫に歌った神戸市東灘区在住の高上和子さん(59 )の姿もあった。震災後に交友が始まった狭間さんに招待された。 狭間さんは1時間半にわたって童謡や外国の民謡など18曲を歌 った。最後から2曲目の「赤とんぼ」は、高上さんも児童たちの大 合唱に合わせて歌った。曲の終わりに近づくと、夫の救出を祈った 被災当日のことを思い出して涙があふれた。「あの時、この歌があ ったから生き延びられた。いまでは毎日の生活の支えになっていま す」と高上さんは話す。

11.知事主人公の本を注文 兵庫県庁が2270冊 09/30

共同通信ニュース速報:  兵庫県の貝原俊民知事を主人公とし、賛美する内容を中心とする 本を、兵庫県庁の各課や出先機関が計二千二百七十冊注文、納入さ れていたことが三十日、分かった。一部の課は公費で購入しようと していたことから、県総務部は「誤解を招く」として、原則として 私費で購入するよう各課長に指導した。
本はジャーナリスト角間隆さん著の「大震災とたたかう男 兵庫 県知事・貝原俊民の挑戦」(ぎょうせい刊)。知事が震災復興に力 を尽くす姿を描き、定価千六百円。「神経の細やかなリーダー」「 洗練されたリーダーシップ」「ダンディな貝原」など知事個人をた たえる記述が目立つ。
 七月上旬ごろ、出版社側から県庁各課に注文書が送られ、課ごと に注文していたが、今月になって県庁全体で合計二千冊以上が納入 されていたことが判明した。
 その後、市民から「十月に知事選も控えているのに、公費で大量 に買うべきではない」と指摘されたため、庁内で支払い方法を検討 。震災で応援を受けた県外の関係者に送る百七十冊を除いて、私費 で買うことを決めた。
 吉本知之職員長は「災害時の危機管理に役立つと思い、公費で買 おうとした課もあったようだ」と話している。

#オール与党に担がれた現職知事候補にしては、やることがセコイ!

12.給与減額分を支払い命令 震災で降格、復帰させず 09/28

共同通信ニュース速報:  阪神大震災の影響で会社の業績が悪化したため一時的に降格に合 意した神戸市の運送会社の元課長二人が「労使協定で定めた期間を 過ぎても元の地位に復帰させないのは不当」として、会社に地位確 認などを求めた訴訟の判決が二十八日、神戸地裁であった。森本翅 充裁判官は課長の地位を確認し、課長に復帰するまで月約二万円の 減給分の支払いを会社側に命じた。
 訴えられたのは、同市長田区の長栄運送。  判決によると、同社は社員約三十人で海上コンテナの運送などを していたが、震災で業績が悪化。給与カットなどをしたため一九九 五年二月、原告ら社員十人が労働組合を結成した。
 同社は「課長が組合に加入するのは認められない」と二人に解雇 を通知。六月に同地裁で地位保全の仮処分決定があり復職したが、 同年七月に「二カ月間は作業職に従事させる」との労使協定を結び 倉庫作業に従事させ、現在まで課長に復帰させていない。      会社側は「二カ月ごとに事業の回復状況をチェックする趣旨の協 定だ」と主張したが、同裁判官は「回復状況を労使協議する場もな かった」と退けた。

13.<語りたい>「居住福祉」の確立を−長崎総合科学大・早川和男教授 09/27 

毎日新聞ニュース速報: ●早川和男教授(長崎総合科学大)  私たちは、この日本に身を寄せて生きている。この国の町や村が暮らしを支えてくれ なければ生きていけない。
 私は、最近「居住福祉」という概念を提起し、その重要性を強調している。同名の本 (岩波新書)も出した。安心できる居住は、命の安全や健康や福祉や人間発達や豊かさ や安心して生きる社会の基盤である、という考えだ。
現実はどうか。阪神大震災の犠牲者のほとんどは家屋の倒壊による。死者の53%は 60歳以上で「高齢者住宅災害」であった。住居が現状のままの在宅福祉は、高齢者を 死に追いやる。深刻化する「介護地獄」も住宅条件が飛躍的に良くなれば、寝たきりを 防ぎ、介護も楽になろう。
 高齢になってからの転居は、ボケや死に至る危険のあることが世界的に明らかになっ ている。だが、日本では再開発が容易になる「定期借家制度」の導入が図られるなど、 逆行している。これだけ在宅介護が強調されながら、関係者や厚生省は、なぜ住宅都市 政策の現状に目を向けないのか。
 このままでは、さらに深刻な「寝たきり・介護地獄」が、この国を覆い、福祉行政は 劣悪な住居や居住不安による医療福祉需要のしりぬぐいに終始させられよう。医療福祉 サービスは一種の消費だが、安全な家と町は「健康福祉資本」として新たな投資なしに 人々の健康な暮らしを支え、次世代に引き継がれていく。
自助努力から生存権保障としての居住政策への転換が必要である。バリアフリーも有 意義だが、安心して住むことを阻んでいる「社会・行政的バリアフリー」が根本の課題 である。
 大きな社会問題になっている子供の心身のゆがみの背景にも、過密居住が自然の消滅 、両親・隣人との交流の少なさ等による家庭と地域の教育力の衰退がある。女性の社会 進出も、遠距離通勤が改善されない限り限界が来よう。少子化の問題も家の狭さや重い 住居費負担と無関係ではない。
 近頃、どの町でも小売り店が衰退し、お年寄りや子供にとっての「買い物福祉空間」 が消えつつある。中小工務店は一般に材料の購入、雇用、消費を地元で行い地域経済に 寄与する。利益を中央に吸い上げる大企業の臨海開発や空港や高層住宅とは対照的であ る。震災復興に10兆円も投入しながら地元が潤わないのは、復興投資が大型公共事業 に偏っているからである。
 私たちは安心して住み続けられる町の在り方にもっと目を向けるべきではないか。


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